競馬場のコースには、右回りと左回りがあります。これは、競走馬がコーナーを時計回りに走るのか、反時計回りに走るのかを表したものです。
競馬初心者の方の中には、「右回りと左回りは何が違うの?」「馬にも得意な回り方がある?」「東京競馬場や中山競馬場はどちら回り?」と疑問に思う方も多いでしょう。
右回りと左回りでは、コーナーを曲がる方向だけでなく、直線の長さや坂、コーナーの形なども異なります。また、競走馬によっては左右で走りやすさが変わり、片方のコースで安定した成績を残すこともあります。
初心者の方は、まず「時計回りに走るのが右回り、反時計回りに走るのが左回り」と覚えておきましょう。ただし、予想では回る方向だけでなく、競馬場ごとのコース形状も確認することが大切です。
この記事では、競馬の右回り・左回りの意味や採用している競馬場、競走馬に得意不得意が生まれる理由、回りの適性を競馬予想に活かす方法について、初心者向けにわかりやすく解説します。
🏇 この記事でわかること
目次
競馬の右回り・左回りとは?
競馬の右回り・左回りとは、競走馬がコースのコーナーをどちらの方向へ曲がるかを表したものです。
スタートからゴールへ向かって、時計の針と同じ方向に走るのが右回り、時計の針とは反対方向に走るのが左回りです。
| 回り方 | 進む方向 | コーナーで内側になる脚 |
|---|---|---|
| 右回り | 時計回り | 右側 |
| 左回り | 反時計回り | 左側 |
右回りではコーナーの内側が競走馬の右側になり、左回りでは内側が左側になります。
競走馬はコーナーで体を内側へ傾けながら走るため、回る方向が変わると脚の使い方や体にかかる力も変わります。
上から見たときの進行方向で判断する
右回りと左回りは、競馬場を上から見たときの進行方向で判断します。
テレビ中継ではカメラの位置が切り替わるため、画面上で馬が右から左へ走っているかだけでは回り方を判断できません。
初心者の方は、コース図に描かれている矢印を見ると分かりやすいでしょう。矢印が時計回りなら右回り、反時計回りなら左回りです。
右回りの競馬場
JRAの競馬場のうち、平地競走で右回りを採用しているのは次の7場です。
↻ 右回りの競馬場
右回りの競馬場は多いものの、すべて同じ特徴ではありません。
中山競馬場はコーナーが比較的きつく、最後の直線に急坂があります。一方、京都競馬場は向こう正面から3コーナーにかけての坂や、平坦な最後の直線が特徴です。
そのため、「右回りが得意」という実績だけでなく、競馬場ごとの形状にも注目する必要があります。
左回りの競馬場
JRAの競馬場のうち、平地競走で左回りを採用しているのは次の3場です。
↺ 左回りの競馬場
東京競馬場は最後の直線が長く、幅の広いコースが特徴です。新潟競馬場も長い直線を持ち、芝1000mではコーナーを通らない直線競走も行われます。
中京競馬場は左回りですが、最後の直線に坂があります。このように、同じ左回りでも競馬場によって求められる能力は異なります。
| 回り方 | JRAの競馬場 |
|---|---|
| 右回り | 札幌・函館・福島・中山・京都・阪神・小倉 |
| 左回り | 東京・新潟・中京 |
地方競馬にも右回り・左回りがある
右回りと左回りの違いは、JRAの中央競馬だけではありません。地方競馬場にも、それぞれ決められた回り方があります。
地方競馬は比較的小さなコースが多く、コーナーがきつい競馬場もあります。そのため、回る方向だけでなく、小回りコースへの適性がレース結果に影響する場合があります。
中央競馬から地方競馬へ出走する馬や、異なる地方競馬場へ移る馬を見るときは、過去に同じ回り方や似たコースで好走しているか確認しましょう。
右回りと左回りは方向以外にも違いがある
右回りと左回りの基本的な違いは、コーナーを曲がる方向です。しかし、実際のレースでは回り方以外のコース条件も大きく影響します。
競馬場によって、次のような特徴が異なります。
競馬場ごとに確認したいポイント
たとえば、同じ左回りでも、東京競馬場と中京競馬場では直線の長さや坂の位置が異なります。東京で好走した馬が、中京でも同じように走れるとは限りません。
右回り・左回りはコース適性を見るための一つの材料です。予想では回る方向と競馬場ごとのコース形状をセットで確認しましょう。
競走馬に右回り・左回りの得意不得意がある理由
競走馬は右回りと左回りのどちらでも走れるように調教されています。しかし、体の使い方やバランス、コーナリングなどの違いから、片方の回りを得意とする馬もいます。
得意不得意は一つの原因で決まるものではなく、複数の要素が関係しています。
①手前の替え方
左右の脚をスムーズに使い分けられるか
②体のバランス
コーナーで内側へ傾いても安定して走れるか
③コーナリング
速度を落とさず無理なくコーナーを曲がれるか
④走り方や気性
まっすぐ走り、周囲を気にせず集中できるか
手前の替え方が影響する
競走馬が走るときに、左右どちらの脚を中心に前へ進むかを手前といいます。
一般的に、右回りのコーナーでは右手前、左回りのコーナーでは左手前で走ります。直線に入ると手前を替え、それまで使っていた脚への負担を減らしながら再び加速します。
手前をスムーズに替えられる馬は、コーナーから直線へ移るときもバランスを保ちやすくなります。一方、手前をうまく替えられない馬は、疲れた脚を使い続けたり、加速に時間がかかったりすることがあります。
| 走る場所 | 使われやすい手前 | 主な目的 |
|---|---|---|
| 右回りのコーナー | 右手前 | 右方向へバランスよく曲がる |
| 左回りのコーナー | 左手前 | 左方向へバランスよく曲がる |
| 最後の直線 | 反対の手前へ変更 | 脚の負担を分散して加速する |
体のバランスや筋力に左右差がある
競走馬の体は完全に左右対称ではありません。人間に利き手や利き足があるように、馬にも使いやすい側があると考えられます。
コーナーでは体を内側へ傾けながら走るため、左右の筋力や柔軟性に差があると、回る方向によって走りやすさが変わる場合があります。
不得意な方向では外側へ膨らんだり、コーナーで速度を落としたりすることがあります。反対に、得意な方向なら体勢を崩さず、スムーズに加速できます。
コーナリングの上手さが違う
コーナーを上手に曲がれる馬は、速度を大きく落とさず、内側に近い進路を走れます。
コーナリングが苦手な馬は、外側へ膨らんで長い距離を走ったり、バランスを崩して加速が遅れたりすることがあります。
特に小回りコースではコーナーを曲がる回数が多く、直線も短い傾向があります。そのため、回る方向への適性やコーナリングの上手さが結果に影響しやすくなります。
走行中に外側へ寄れることがある
最後の直線で競走馬が左右どちらかへ進んでしまうことを、競馬では寄れると表現します。
たとえば、左回りのコースで直線に入ったあと、馬が外側へ大きく寄れると、まっすぐ走る馬より余計な距離を走ることになります。騎手が進路を修正する間に、十分なスピードを発揮できない場合もあります。
過去のレースで同じ方向へ繰り返し寄れている馬は、回り方や手前の替え方に課題がある可能性があります。
回りの得意不得意とコース適性は同じではない
右回りで好成績を残している馬でも、すべての右回り競馬場を得意とするとは限りません。
競馬場には、回る方向以外にも次のような違いがあります。
競馬場ごとに異なる主な条件
たとえば、中山競馬場と阪神競馬場はどちらも右回りですが、コース形状や直線の長さは異なります。東京競馬場と中京競馬場も左回りですが、同じ特徴を持つコースではありません。
ある競馬場での好成績が、回る方向によるものなのか、直線や坂などの形状によるものなのかを分けて考える必要があります。
右回りで好走した実績だけで判断せず、今回と似たコース形状でも走れているかを確認しましょう。競馬場そのものの実績があれば、より判断しやすくなります。
右回り・左回りの適性を見分ける方法
競走馬の右回り・左回りの適性は、出走表に明確に書かれているとは限りません。過去成績やレース内容を確認し、どちらの回りで能力を発揮しているかを判断します。
初心者の方は、まず過去の着順を比較し、気になる馬だけ詳しいレース内容を確認すると分かりやすいでしょう。
1.右回り・左回り別の過去成績を見る
最初に確認したいのは、今回と同じ回り方で行われた過去のレース成績です。
右回りで何度も上位に入っている馬は、右回りを苦にしない可能性があります。左回りだけで安定して好走している馬なら、左回りが能力を発揮しやすい条件かもしれません。
| 確認項目 | 見るポイント |
|---|---|
| 出走回数 | 判断できるだけの経験があるか |
| 勝利数 | どちらの回りで勝っているか |
| 2着・3着 | 安定して上位に入っているか |
| 着差 | 負けても勝ち馬との差が小さかったか |
一度の好走や敗戦だけで得意不得意を決めるのは早すぎます。出走回数が少ない場合は、回り方以外の条件が結果に影響した可能性も考えましょう。
2.同じ競馬場での成績を確認する
右回り・左回りの成績だけでなく、今回と同じ競馬場での実績も重要です。
同じ方向へ回る競馬場でも、コーナーの大きさや直線の長さ、坂の位置などは異なります。そのため、回り方が得意なのではなく、特定の競馬場を得意としている場合があります。
たとえば、東京競馬場と中京競馬場はどちらも左回りです。しかし、東京で好走している馬が、中京でも同じように走れるとは限りません。
過去に今回と同じ競馬場で好走している馬は、回り方だけでなくコース形状にも対応できているため、評価しやすくなります。
3.似たコースでの実績を見る
今回の競馬場を走った経験がない場合は、似た特徴を持つコースでの成績を確認します。
回る方向に加えて、次の条件が近いレースを探してみましょう。
右回り・左回りだけで判断するより、似たコースでの実績も組み合わせたほうが、その馬の適性を考えやすくなります。
4.レース映像でコーナーの走りを見る
レース映像を確認できる場合は、コーナーでの走り方に注目しましょう。
得意な回りでは、体勢を崩さず、速度を保ったままコーナーを曲がりやすくなります。反対に、不得意な回りでは、外側へ膨らんだり、騎手が何度も進路を修正したりすることがあります。
次のような走りが見られた場合は、コーナーや回り方が合っていなかった可能性があります。
| レース中の動き | 考えられる影響 |
|---|---|
| コーナーで外へ膨らむ | 距離のロスが生じる |
| 体勢が不安定になる | 速度を落とす原因になる |
| 直線で左右に寄れる | まっすぐ加速できない |
| 手前を替えない | 同じ側の脚に疲れがたまりやすい |
5.騎手や調教師のコメントを見る
騎手や調教師のコメントで、右回り・左回りへの適性に触れられることがあります。
「左回りのほうがスムーズ」「右回りでは外へ張る」「手前をうまく替えなかった」などのコメントは、回り方を判断する材料になります。
ただし、コメントだけで予想を決めるのではなく、実際の成績やレース映像と一致しているか確認しましょう。
着順だけで得意不得意を判断しない
右回りで負けたからといって、右回りが不得意とは限りません。
競馬の着順には、相手関係や距離、馬場状態、レース展開、枠順など多くの条件が影響します。
たとえば、右回りのレースで大敗していても、距離が長すぎたことや、スタートで出遅れたことが原因かもしれません。反対に、得意ではない回りでも展開に恵まれて好走する場合があります。
過去成績を見るときは、着順と一緒に次の内容も確認しましょう。
| 条件 | 確認する内容 |
|---|---|
| 距離 | その馬に合った距離だったか |
| 馬場状態 | 良馬場や道悪への適性があったか |
| レース展開 | 脚質に合った流れだったか |
| 不利 | 出遅れや進路の妨げがなかったか |
| 相手関係 | 対戦相手が強すぎなかったか |
回りの適性を判断するときは、同じ回りでの成績→同じ競馬場での成績→レース内容の順番で確認すると、情報を整理しやすくなります。
右回り・左回りを競馬予想に活かす方法
右回り・左回りの適性は、競走馬を評価する材料の一つです。ただし、回る方向だけで本命馬を決めたり、苦手そうな馬をすぐに消したりするのはおすすめできません。
距離や競馬場、馬場状態などの条件と組み合わせて判断しましょう。
1.今回と同じ競馬場の成績を優先する
最も参考にしやすいのは、今回と同じ競馬場での過去成績です。
同じ競馬場で何度も好走している馬は、右回り・左回りだけでなく、コーナーや坂、直線の長さなどにも対応できている可能性があります。
確認するときは、芝・ダートや距離も今回と近いレースを優先しましょう。
2.初めて走る競馬場では同じ回りの実績を見る
今回の競馬場を初めて走る馬は、同じ右回りまたは左回りの競馬場での成績を確認します。
たとえば、初めて東京競馬場を走る馬なら、新潟や中京など、ほかの左回りコースでスムーズに走れているかが参考になります。
ただし、同じ左回りでもコース形状は異なります。直線や坂など、今回の競馬場と似た特徴があるかも確認しましょう。
3.回り方が変わる馬に注目する
前走の右回りから今回の左回りへ変更するなど、回る方向が変わる馬にも注目できます。
前走でコーナーを曲がりにくそうにしていた馬が、得意な回りへ替わることで本来の能力を発揮する場合があります。
反対に、好走を続けていた馬でも、不得意な回りへ替わるとコーナーでバランスを崩し、成績を落とす可能性があります。
4.距離や馬場状態も組み合わせる
同じ回り方でも、距離や馬場状態が変わればレースで求められる能力も変わります。
右回りで好走していても、今回の距離が長すぎたり、苦手な道悪になったりすれば、同じ結果を残せるとは限りません。
予想では、条件を次の順番で確認すると整理しやすくなります。
① 芝・ダートの適性
② 距離の適性
③ 競馬場の実績
④ 右回り・左回りの実績
⑤ 当日の馬場状態や展開
5.人気と適性の評価に差がある馬を探す
右回りや左回りの適性が理由で人気を落としている馬でも、実際には同じ回りで好走した経験があるかもしれません。
反対に、前走で強い勝ち方をした人気馬でも、今回は回る方向やコース形状が大きく変わることがあります。
過去の着順だけで判断せず、今回の条件でも同じ走りができそうか考えることが重要です。
回りの適性を予想するときの注意点
一度の結果だけで決めつけない
右回りで一度負けただけでは、右回りが不得意とは判断できません。出遅れや不利、距離、馬場状態など、別の原因で力を発揮できなかった可能性があります。
できるだけ複数のレースを確認し、同じような走りにくさが繰り返されているかを見ましょう。
競馬場への適性と分けて考える
特定の競馬場で好成績を残している場合、回る方向ではなく、直線の長さや坂などを得意としている可能性があります。
「左回りが得意」ではなく「東京競馬場が得意」という馬もいるため、競馬場ごとの成績を優先して確認しましょう。
直線競走では回りの影響が小さい
新潟競馬場の芝1000mのように、コーナーを通らず直線だけを走るレースもあります。
このようなレースでは右回り・左回りというコーナー適性よりも、枠順や直線コースへの適性、スピードなどが重要になります。
回りの適性は、予想を補強する材料として使いましょう。距離やコース適性を確認したうえで、最後に右回り・左回りとの相性を見るのがおすすめです。
右回り・左回りに関するよくある質問
右回りと左回りはどのように見分けますか?
競馬場を上から見たとき、時計の針と同じ方向に走るのが右回り、反対方向に走るのが左回りです。コース図の矢印を見ると簡単に確認できます。
右回りと左回りでタイムは変わりますか?
回る方向が合わない馬は、コーナーで速度を落としたり、外側へ膨らんだりしてタイムを失うことがあります。
ただし、走破タイムには距離や馬場状態、コース形状なども影響するため、右回りと左回りのタイムをそのまま比較することはできません。
馬は右回りと左回りの両方を走れますか?
基本的には両方を走れるように調教されています。ただし、体の使い方やバランスなどにより、片方の回りでより能力を発揮する馬もいます。
初めて左回りを走る馬は避けたほうがよいですか?
必ずしも避ける必要はありません。初めてでも問題なく対応する馬は多くいます。
過去の調教や走り方、騎手・調教師のコメントなどを確認し、不安がある場合は適性が確認されている馬より慎重に評価しましょう。
地方競馬でも回りの適性は重要ですか?
地方競馬にも右回りと左回りがあります。小回りでコーナーがきつい競馬場も多いため、回る方向に加えてコーナリングや競馬場の実績が重要になります。
まとめ
競馬の右回り・左回りは、競走馬がコーナーを曲がる方向を表しています。
✅ 時計回りに走るのが右回り
✅ 反時計回りに走るのが左回り
✅ 手前や体のバランスによって得意不得意が生まれる
✅ 同じ回りでも競馬場によってコース形状が異なる
✅ 予想では同じ競馬場での成績を優先する
右回り・左回りの適性を見るときは、過去の着順だけでなく、コーナーでの走り方や同じ競馬場での実績を確認することが大切です。
回る方向だけで評価を決めず、距離や芝・ダート、馬場状態、コース形状などと組み合わせて競馬予想に活かしましょう。




















