競馬のレース結果を見ていると、上がり3ハロンの数字が最も速い馬に「上がり最速」と表示されていることがあります。
最後の600mをほかの馬より速く走った馬ですが、上がり最速なら、そのまま高い確率で勝てるのでしょうか。
そこで今回は、2026年8月29日・30日に札幌競馬場と新潟競馬場で行われた平地競走、合計46レースを実際に集計しました。
💡 この記事でわかること
- 上がり最速馬が勝ったレースの割合
- 上がり最速馬が1頭以上3着以内に入ったレースの割合
- 芝とダートで結果に違いがあるか
- 上がり最速でも届かなかった実例
- 上がり3ハロンを予想に活かす方法
集計の結果、上がり最速馬が勝ったのは46レース中17レースでした。
今回の集計結果
上がり最速馬が勝ったのは46レース中17レース
上がり最速馬が1頭以上3着以内に入ったのは
46レース中34レース(73.9%)
集計単位は「馬」ではなく「レース」です。同じレースに上がり最速馬が複数いた場合も、1レースとして数えています。
上がり最速は有力な予想材料ですが、最速の末脚を使ったからといって必ず勝てるわけではありません。
この記事では、芝とダートの集計結果を比較し、上がり最速でも4着以下だった例を紹介します。あわせて、レース内容を振り返る際の確認項目を整理します。
上がり最速と聞くと「一番強い走りをした馬」に思えますよね。実際にはどれくらい馬券に入っているのか、46レースの結果から確かめてみます。
札幌・新潟の平地46レースを集計
今回の集計条件は次のとおりです。
☑ 対象日:2026年8月29日・30日
☑ 対象競馬場:札幌競馬場・新潟競馬場
☑ 対象:平地46レース
☑ 芝:28レース
☑ ダート:18レース
☑ 障害競走2レースは対象外
当初は全48レースを対象にする予定でしたが、障害競走は平地競走とレースの条件が異なります。そのため、新潟で行われた障害競走2レースを除外しました。
上がり3ハロンとは?
上がり3ハロンとは、ゴールから逆算した最後の3ハロン、つまり600mに要した時間です。
レース結果に掲載されている各馬の上がり3ハロンを確認し、同じレースに出走した馬の中で最も数字が小さい馬を「上がり最速馬」としました。
| 用語 | 意味 |
|---|---|
| 上がり3ハロン | ゴール前の600mに要した時間 |
| 上がり最速 | 同じレースで最も速い上がりを記録した馬 |
| 馬券圏内 | 1着・2着・3着に入ること |
集計単位と同タイムの扱い
今回の集計では、各レースの上がり最速馬のうち、最も上位だった馬の着順を、そのレースの「上がり最速馬の中での最高着順」として記録しています。上がり最速馬が複数いたのは7レースでした。
例えば、上がり最速タイの2頭が2着と8着だった場合は、「上がり最速馬の中での最高着順2着のレース」として1件数えます。馬ごとに1頭ずつ数える方法とは異なります。
3着以内に入ったレースの割合=上がり最速馬が1頭以上3着以内に入ったレース数÷対象レース数×100
今回の集計では、34÷46×100=73.9%です。割合は小数第1位に丸めているため、内訳の合計が100%にならない場合があります。
この73.9%は、上がり最速馬全頭の複勝率や、馬券を購入した場合の的中率を示す数字ではありません。
上がり最速馬が勝ったのは17レース
| 上がり最速馬の中での最高着順 | レース数 | 割合 |
|---|---|---|
| 1着 | 17 | 37.0% |
| 2着 | 9 | 19.6% |
| 3着 | 8 | 17.4% |
| 4着以下 | 12 | 26.1% |
上がり最速馬が勝ったのは17レースで、上がり最速馬が勝ったレースの割合は37.0%でした。
2着が9レース、3着が8レースあり、3着以内まで広げると46レース中34レースになります。
✅ 上がり最速馬の成績
☑ 勝利したレースは17レース
☑ 上がり最速馬が勝ったレースの割合は37.0%
☑ 3着以内は34レース
☑ 最速馬が1頭以上3着以内に入ったレースの割合は73.9%
☑ 4着以下に終わったレースも12あった
上がり最速馬は約4分の3のレースで3着以内に入りました。一方、約4レースに1レースは4着以下です。
上がり最速馬は馬券に入りやすい結果でした。ただし、勝ったのは半分以下です。「上がり最速だから1着」と決めつけないことが大切ですね。
芝とダートで結果に違いはある?
次の表も、馬の頭数ではなくレース数で比較しています。「3着以内」は、上がり最速馬が1頭以上3着以内に入ったレースを指します。
| 条件 | 対象レース数 | 最速馬が勝ったレース数 | 最速馬が3着以内に入ったレース数 | 3着以内に入ったレースの割合 |
|---|---|---|---|---|
| 芝 | 28 | 8 | 22 | 78.6% |
| ダート | 18 | 9 | 12 | 66.7% |
| 全体 | 46 | 17 | 34 | 73.9% |
芝では2着・3着に入るケースが多かった
芝では、上がり最速馬が勝ったのは28レース中8レース(28.6%)でした。
上がり最速馬が1頭以上3着以内に入ったのは、28レース中22レース(78.6%)でした。
芝28レースの内訳
☑ 1着:8レース
☑ 2着:7レース
☑ 3着:7レース
☑ 4着以下:6レース
芝では、上がり最速馬の中での最高着順が2着だったレースと、3着だったレースが、それぞれ7レースありました。どの位置から走り、なぜ勝ち切れなかったかは、通過順位やレース映像を別途確認する必要があります。
ダートでは勝利につながるケースが多かった
ダートでは、上がり最速馬が勝ったのは18レース中9レース(50.0%)でした。
ダート18レースの内訳
☑ 1着:9レース
☑ 2着:2レース
☑ 3着:1レース
☑ 4着以下:6レース
ダートでは、上がり最速を記録した馬がそのまま勝利するケースが多くなりました。
ただし、4着以下も6レースあります。ダートだから上がり最速馬を無条件で評価できるわけではありません。
⚠ 今回の数字を見るときの注意
対象は2日間・2競馬場の46レースです。この結果だけで「芝よりダートの方が上がり最速馬が勝ちやすい」と断定することはできません。今回の条件内で見られた傾向として確認してください。
芝では勝ち切れなくても2着・3着に入り、ダートではそのまま勝つケースが多くなりました。今後は対象レースを増やして、この違いが続くかも確認したいですね。
上がり最速でも届かなかった実例
上がり最速を記録しても、レース中の位置取りや展開によっては上位まで届きません。
今回の46レースから、速い末脚を使いながら4着以下に終わった例を確認します。
新潟芝1000mで上がり最速でも8着
8月30日の新潟9R・閃光特別では、バンディートとリュウノタブークが33.4秒で上がり最速タイでした。
| 馬名 | 上がり | 通過順位 | 着順 |
|---|---|---|---|
| バンディート | 33.4秒 | 14番手 | 8着 |
| リュウノタブーク | 33.4秒 | 18番手 | 11着 |
どちらも後方から速い脚を使いましたが、前との差を埋め切れませんでした。
最後方から伸びても6着まで
8月29日の新潟10Rでは、ホットゥトロットが34.8秒で上がり最速を記録しました。
通過順位は16番手から16番手。最後方から伸びましたが、最終着順は6着でした。
札幌でも上がり最速馬が9着
8月30日の札幌2Rでは、アワードリームスが34.9秒で上がり最速でした。
道中は12番手から11番手で進み、最終着順は9着。残り600mを速く走っても、それ以前にできた差が大きければ届かないことが分かります。
上がり最速でも届かなかったときに確認すること
☑ 後方からでは前との差が大きすぎる
☑ 前を走る馬にも余力が残っている
☑ スローペースで前が止まらない
☑ 直線が短く、追い上げる距離が足りない
☑ 進路を確保するまでに時間がかかる
速い数字だけでは判断できない
上がり3ハロンは、馬が最後までどれだけ速く走れたかを見る数字です。
しかし、レースの前半や中盤にどの位置を走っていたかまでは、上がりの数字だけでは分かりません。
上がり最速馬と一緒に確認したいこと
☑ どの位置から末脚を使ったか
☑ 前との差をどれだけ縮めたか
☑ レース全体のペースは速かったか
☑ 直線で進路を確保できていたか
☑ 脚を使い始めた位置は遅くなかったか
「上がり最速なのに負けた」場合は、能力がなかったと決めつけず、どの位置から追い上げたのかを確認しましょう。展開が変われば次走で届く可能性があります。
上がり最速を競馬予想に活かす方法
今回の集計で分かること・分からないこと
今回調べたのは、レース終了後に判明した上がり最速馬と、そのレースの着順の関係です。レース前に上がり最速馬を選べる確率を調べたものではありません。
また、「前走で上がり最速だった馬が、次走でどれくらい好走するか」も、この集計では確認していません。次走での有効性を調べるには、対象馬の次走成績を別に集計する必要があります。
以下は、過去のレース内容を振り返るための確認方法です。今回の73.9%を、そのまま次走の的中確率として使うことはできません。
① 着順と通過順位を一緒に見る
上がり最速で負けた馬を見るときは、道中の位置と最終着順を確認します。
後方から大きく順位を上げていた場合は、展開や位置取りが変われば次走で上位に届く可能性があります。
反対に、最後方のまま着順を少し上げただけなら、速い上がりの数字だけで過大評価しない方がよいでしょう。
② 前方から上がり最速なら内容を評価する
逃げ馬や先行馬は、前半から位置を取りに行くため、後方で脚をためる馬より早い段階から体力を使います。
前方でレースを進めながら上がり最速を記録して勝った場合は、最後まで余力のある内容だった可能性があります。
③ 異なるレースの数字を単純比較しない
上がり3ハロンの数字は、芝・ダート、距離、馬場状態、レースのペースによって変わります。
| 確認項目 | 上がりへの主な影響 |
|---|---|
| 芝・ダート | 走りやすさや時計の出方が異なる |
| 馬場状態 | 芝とダートで水分の影響が異なるため、同じ馬場状態の表記だけで時計の速い・遅いを決めない |
| レースペース | 前半が遅いと終盤が速くなりやすい |
| 位置取り | 後方の馬は終盤まで脚をためやすい |
| コース形状 | 直線の長さや坂の有無が影響する |
芝で記録した33秒台と、ダートで記録した37秒台を比べて、数字の小さい馬が必ず強いとは判断できません。
まず同じレースの出走馬同士で比較し、次に条件が近い過去レースを確認することが大切です。
まとめ|上がり最速でも必ず勝つわけではない
✅ 今回の検証結果
☑ 札幌・新潟の平地46レースを集計
☑ 上がり最速馬が勝ったのは17レース
☑ 上がり最速馬が勝ったレースの割合は37.0%
☑ 3着以内に入ったのは34レース
☑ 最速馬が1頭以上3着以内に入ったレースの割合は73.9%
☑ 芝では28レース中22レースで最速馬が1頭以上3着以内に入った
☑ ダートでは18レース中9レースで勝利
☑ 12レースでは上がり最速でも4着以下
上がり最速馬は、約4分の3のレースで3着以内に入っていました。そのため、レース内容を確認するうえで有力な材料といえます。
一方、勝ったのは46レース中17レースです。最速の末脚を使えることが、そのまま勝利を意味するわけではありません。
上がり3ハロンだけで判断せず、通過順位、ペース、前との差、コース形状まで組み合わせて見ることが、競馬予想に活かすポイントです。
上がり3ハロンは、最後の600mにかかった時間を示す数字です。余力や敗因まで数字だけで決めず、通過順位やレース映像と合わせて内容を確認しましょう。
参考資料
※本記事は対象46レースの結果を独自に集計したものです。対象期間や競馬場が変われば結果も変わる可能性があります。将来の的中や利益を保証するものではありません。

















