競馬新聞や出馬表に、「中2週」「中5週」「連闘」「休み明け」と書いてあるのを見たことはありませんか。
どれも、前走から今回のレースまでどれくらい間が空いているかを表す言葉です。馬がどんな間隔でレースに出るかを、競馬ではローテーションと呼びます。
馬はレースに出るたびに体力を使います。なので、前走の疲れが抜けているか、逆に休みが長すぎてレースの感覚が鈍っていないかを考えるのは、予想ではけっこう大事です。
ただ、間隔が短ければ悪くて、長ければ良い、という単純な話ではありません。
短い間隔でも調子を保っている馬がいれば、休みを挟んで調子を上げてくる馬もいます。馬の特徴や前走の中身、調教、過去の好走パターンによって、合うローテーションは違います。
この記事で分かること
このあと、ローテーションとは何か、「中何週」をどう数えるかを話していきます。
レース間隔を見るときに気をつけたいことや、出馬表から調子の変化を読む方法も紹介します。
ローテーションを見ると、その馬がどれくらい休んで今回のレースに出てくるのかが分かります。まずは「中何週」の数え方から押さえていきます。
競馬のローテーションとは?
ローテーションは、馬がどのレースに、どんな間隔で出ていくかを表す言葉です。
前走から次のレースまでの間隔だけでなく、どのレースを使って目標のレースに向かうか、という出走の計画全体を指すこともあります。
レース間隔
前走から今回まで、どれくらい空いているか
出走する順番
どのレースを使って目標のレースに向かうか
休養の時期
いつ休ませて、いつ復帰させるか
目標レース
どのレースで一番いい状態に仕上げるか
たとえば大きなレースを目標にしている馬が、その数週間前に別のレースに出ることがあります。
この場合、前のレースはレース勘を取り戻したり、状態を上げたりするための一戦で、本当の目標は次のレース、ということもあります。
逆に、前走ですでに力を出し切っていて、今回もその状態を保てるかが見どころ、というケースもあります。
ローテーションは陣営の出走計画
馬が出るレースは、状態や向き不向き、出走できる条件を考えて決められています。
距離、コース、芝かダートか、レースの格、時期などを見ながら、その馬に合うレースが選ばれます。
なので、ローテーションを見ると、陣営がその馬をどう使おうとしているのかが、ある程度見えてきます。
ローテーションから考えられること
「中何週」とは?
「中何週」は、前走と今回のレースの間に、走らなかった週が何週あるかを表しています。
気をつけたいのは、前走から今回までの日数を、そのまま週に直すわけではないことです。
前走を走った週と、今回走る週は数えません。そのあいだにある週だけを数えます。
「中何週」の基本的な数え方
前走の週
数えない
間の週
ここを数える
今回の週
数えない
「中2週」の数え方
たとえば、7月5日に走った馬が、次に7月26日のレースに出るとします。
前走の週と今回の週のあいだには、走らなかった週が2週あります。なので、このローテーションは中2週です。
| 週 | 状況 | 数えるか |
|---|---|---|
| 7月5日の週 | 前走に出走 | 数えない |
| 7月12日の週 | 出走なし | 1週目 |
| 7月19日の週 | 出走なし | 2週目 |
| 7月26日の週 | 今回出走 | 数えない |
このように、前走から次のレースまでおよそ3週間空いていても、競馬ではあいだの2週を数えて「中2週」と言います。
中1週・中2週・中3週の違い
| 表現 | レースの間に空く週 | 日程の目安 |
|---|---|---|
| 連闘 | 0週 | 前走の翌週に出走 |
| 中1週 | 1週 | 前走の2週間後に出走 |
| 中2週 | 2週 | 前走の3週間後に出走 |
| 中3週 | 3週 | 前走の4週間後に出走 |
! 「中2週=14日後」ではない
中2週は、前走と今回のあいだに走らない週が2週ある、という意味です。前走から次のレースまでは、だいたい3週間空いています。
連闘とは?
連闘は、ある週のレースに出た馬が、次の週のレースにも続けて出ることです。
あいだに休む週がないので、「中0週」とは言わずに、ふつうは連闘と呼びます。
間隔がとても短いので、前走の疲れが残っていないかは慎重に見たいところです。
ただ、前走で十分に走れなかった馬や、レース後も元気な馬が、連闘で好走することもあります。連闘というだけで評価を下げるのは早いです。
「中何週」は、前走と今回のあいだにある走らなかった週を数えます。中2週なら前走から約3週間後、中3週なら約4週間後、と覚えておくと分かりやすいです。
レース間隔ごとの特徴
ローテーションを予想に活かすには、間隔ごとのざっくりした特徴を知っておくと便利です。
間隔が短い馬は前走の状態を保ちやすい反面、疲れが残っているかもしれません。間隔が長い馬は疲れが抜けやすい反面、レース勘や仕上がりが気になります。
| レース間隔 | 期待できる点 | 注意したい点 |
|---|---|---|
| 連闘 | 好調やレース勘を維持しやすい | 前走の疲労が残る可能性がある |
| 中1~2週 | 前走時の状態を保ちやすい | 強い負荷をかけた調教が少なくなりやすい |
| 中3~5週 | 疲労回復と調整の時間を確保しやすい | 馬によって適した間隔が異なる |
| 長期休養明け | 疲労や体調面の問題が改善している可能性 | 仕上がりや実戦感覚を慎重に確認する |
この表はあくまでよくある傾向です。同じ中2週でも、前走で力を出し切った馬と、ほとんど走れなかった馬とでは、疲れ方が違います。
中1週から中2週の短い間隔
中1週や中2週は、前走からあまり間を空けずに次のレースに出るローテーションです。
前走で好走した馬なら、いい調子のまま出てこられるかもしれません。一度レースを走ったことで気持ちが前向きになったり、動きが良くなったりする馬もいます。
ただ、短い期間では十分に回復しきれないこともあります。特に前走が厳しいペースだった馬、長い距離を走った馬、悪い馬場で消耗した馬は、見えない疲れが残っているかもしれません。
短い間隔で確認したいこと
中3週から中5週の間隔
中3週から中5週くらいのローテーションだと、前走の疲れを取りながら、次のレースに向けた調教をする時間を取りやすくなります。
馬によって合う間隔は違いますが、短すぎず長すぎない間隔として、よく見かけるローテーションです。
ただ、間隔に余裕があるからといって、状態がいいとは限りません。予定していたレースを回避した結果、間が空いただけかもしれないので、調教の過程や陣営のコメントも見てみてください。
休み明けとは?
休み明けは、しばらくレースに出ずに休んでから、復帰する最初のレースのことです。
競馬新聞や出馬表では、間隔が長く空いた馬に「休み明け」「久々」と書かれることがあります。ただ、何週間以上なら休み明け、という決まった基準はありません。
休む目的も馬によって違います。レースの疲れを取るためだけでなく、調子の立て直しや成長を待つため、けがの治療のために休んでいることもあります。
疲労回復
続けて走って溜まった疲れを取り、状態を整える
体調の立て直し
調子を落とした馬を休ませて、回復を待つ
成長を促す
若い馬を休ませて、体と気持ちの成長につなげる
けがの治療
治療と回復に必要な期間を取る
休み明けが得意な馬もいる
休み明けの馬は、レース勘が戻っていないかもしれないので、ふつうは少し慎重に評価します。
でも、休んで疲れが抜けたほうが力を出せる馬もいます。過去に休み明けで何度も好走しているなら、間隔が空いていることをそこまで心配しなくていいと思います。
最近は休養先の設備や調整のしかたも充実していて、休み明けでもしっかり仕上がって出てくることがあります。
休養期間の長さより理由を見る
同じ6か月ぶりでも、計画的に休ませた馬と、けがから戻ってくる馬とでは、意味が違います。
計画的な休養で調教も順調なら、復帰初戦から力を出せるかもしれません。一方、調教を休んでいた期間が長かったり、復帰の予定が何度も変わっていたりしたら、慎重に見てください。
! 休み明けという理由だけで消さない
休み明けでも、過去の実績や調教の中身が良ければ好走することがあります。休んでいた長さだけでなく、休んだ理由と今回の仕上がりを見てみてください。
レース間隔は、長いか短いかだけでは評価できません。前走でどれだけ負担がかかったかと、今回までの調整の中身を一緒に見るのがコツです。
叩き台・叩き2走目とは?
ローテーションを見ていると、「今回は叩き台」「次は叩き2走目」という言葉が出てくることがあります。
叩き台は、休み明けの馬が目標のレースの前に一度走って、レースを経験することで状態を上げる狙いのあるレースのことです。
その次のレースは「叩き2走目」や「休み明け2戦目」と呼ばれます。
休み明け初戦
レース勘を戻しながら、今の状態を確かめる
叩き2走目
初戦を走ったことで、動きや反応が良くなることが期待される
目標レース
ローテーションの中で、一番いい状態を目指す
休み明け初戦で負けた馬が、叩き2走目で着順を上げることはよくあります。一度走ったことで息の持ちや反応が良くなって、状態が上がることがあるからです。
ただ、全部の馬が叩き2走目で良くなるわけではありません。休み明けから走れる馬もいれば、前走の疲れが残りやすい馬もいます。
前走が本当に叩き台だったか確認する
なので、休み明け初戦だったというだけで、前走を叩き台と決めつけないようにしています。
前走からしっかり仕上がっていた馬や、前走そのものが目標だった馬は、2戦目で大きく良くなることは期待しにくいです。
次のような情報を見ると、前走と今回の位置づけが考えやすくなります。
ローテーションを競馬予想に活かす方法
ローテーションは、それだけで好走する馬を決めるためのものではありません。
前走の中身や調教、過去の成績と組み合わせて、今回も力を出せる状態かを考えるために使います。
STEP 1
前走日を確認する
STEP 2
前走の負担を考える
STEP 3
調教過程を確認する
STEP 4
過去の間隔別成績を見る
前走で受けた負担を考える
同じ中2週でも、前走の中身によって疲れの残り方は変わります。
厳しいペースで最後まで競り合った馬、重い馬場を走った馬、長い距離を輸送された馬は、着順以上に負担が大きかったかもしれません。
逆に、前走でスタートに遅れて十分に走れなかった馬や、早めに勝負から脱落した馬は、力を出し切っていないこともあります。
| 前走の内容 | 今回考えられること |
|---|---|
| 厳しいペースで競り合った | 見た目以上に疲労が残っている可能性 |
| 重い馬場で力を使った | 脚元や体力への負担を確認したい |
| 不利があり十分に走れなかった | 短い間隔でも疲労が少ない可能性 |
| 余裕を残して勝利した | 好調を維持できれば連続好走も考えられる |
今回までの調教過程を見る
間隔が空いている馬は、調教の本数や最終追い切りの動きから、仕上がりを見ます。
長い休み明けでも、早めに調教を始めて本数を重ねている馬なら、初戦から走れるかもしれません。
逆に、調教を始めるのが遅かった馬や、予定していた追い切りをこなせていない馬は、まだ状態が整っていないかもしれません。
間隔が短い馬は、強い調教をせずに軽めの調整だけで出てくることもあります。調教が軽いというだけで評価を下げず、間隔のことも考えてあげてください。
過去の間隔別成績を確認する
休み明けから走れる馬もいれば、何度かレースを使って調子を上げてくる馬もいます。
馬柱や過去の成績から、好走したときのレース間隔を見てみてください。
| 過去の傾向 | 今回の見方 |
|---|---|
| 休み明けで何度も好走 | 久々でも力を出しやすい可能性 |
| 叩き2走目で成績が上昇 | 前走からの上積みを期待できる |
| 短い間隔で好走が多い | 好調時に続けて走れるタイプの可能性 |
| 間隔を空けたときに好走 | 疲労を取ったほうが走れるタイプの可能性 |
ただ、成績が少ない馬だと、たまたまのこともあります。1回の結果だけで得意・不得意を決めず、いくつかのレースを見てみてください。
目標レースかどうかを考える
大きなレースの前に別のレースに出てくる馬は、今回が最終目標ではないこともあります。
ただ、「前哨戦だから仕上げていない」「本番だから必ず仕上がっている」と決めつけることはできません。
目標のレースに出るために今回の結果が必要な馬や、賞金を加算したい馬は、前哨戦でもしっかり仕上げてくることがあります。
まずは前走でかかった負担・今回の調教・過去に好走した間隔の3つを見てみてください。間隔の数字だけを見るより、馬の状態が具体的に見えてきます。
ローテーションから狙いやすい馬
ローテーションを予想に活かすときは、今回の間隔がその馬に合っているかを考えます。
特に、過去の好走パターンと同じ形になっている馬や、前走から上向きそうな馬は注目です。
得意な間隔に戻る馬
過去に何度も好走しているレース間隔で出てくる
叩き2走目の馬
休み明け初戦を走って、動きが良くなりそう
計画的な休養明け
調教をしっかり積んで、目標のレースに向けて復帰する
好調を維持している馬
短い間隔でも、調教や馬体に気になるところがない
前走と似た条件へ続けて出走する馬
前走で好走した馬が、同じ距離や似たコースに短い間隔で出てくるなら、また力を出せるかもしれません。
好調を保ったまま得意な条件に出てくるローテーションなら、間隔が短いことを悪い材料と考えなくていいと思います。
ただ、前走より相手が強くなるときや、馬体重が大きく減っているときは、慎重に見てください。
休み明け初戦で見せ場があった馬
休み明け初戦で着順が悪くても、途中まではいい走りを見せていた馬は、叩き2走目で変わるかもしれません。
たとえば直線の途中まで先頭争いに加わっていた馬や、最後に伸びながらゴールした馬は、一度走ったことでの上積みが期待できます。
着順だけで決めず、どこまで走れていたかをレースの中身から見てみてください。
ローテーションを予想するときの注意点
! レース間隔だけで評価を決めない
「中2週だから走る」「休み明けだから走らない」とは限りません。前走の負担、調教、馬体重、過去の実績を組み合わせて考えてみてください。
「間隔が短い=疲れている」と決めつけない
中1週や中2週でも、前走の負担が少なくて体調に問題がなければ、好走することがあります。
短い間隔で何度も好走している馬なら、続けて使うことで調子を保てるタイプなのかもしれません。
前走後の調教や馬体重、パドックでの様子を見て、本当に疲れが出ているかを確かめてみてください。
「間隔が長い=万全」とは限らない
間隔が長ければ、疲れを取る時間はあります。でも、けがや体調不良で出られなかっただけかもしれません。
休みが長い馬は、休んでいた理由や調教を始めた時期、今回までの流れを見てあげてください。
馬体重の増減だけで仕上がりを決めない
休み明けの馬は、前走より馬体重が増えて出てくることがあります。
成長や体力の回復で増えたなら問題ありませんが、太め残りのこともあります。数字だけでなく、馬体の張りや動きも見てみてください。
逆に、短い間隔で馬体重が減り続けている馬は、疲れや体調の落ち込みかもしれません。ただ、前走のときに太めだったなら、ちょうどいい体重に近づいているだけのこともあります。
予定変更の理由を確認する
もともと予定していたレースを回避して、別のレースに出てくる馬もいます。
予定変更には、馬場や相手を考えた前向きな理由もあれば、体調が整わなかったという理由もあります。
思ったより間が空いている馬は、できれば陣営のコメントや調教の過程を見てみてください。
ローテーションに関するよくある質問
Q.「中2週」は前走から何日後ですか?
だいたい前走から3週間後の出走です。前走と今回のあいだに走らない週が2週あるので、「中2週」と言います。
Q.連闘の馬は疲れているので消してもよいですか?
連闘というだけで消すのはおすすめしません。前走の負担や過去の連闘での成績、今回の馬体重を見てみてください。
Q.休み明けの馬は何を確認すればよいですか?
休んだ理由、調教の本数、最終追い切りの動き、過去の休み明けの成績を見てみてください。当日は馬体重やパドックの気配も判断材料になります。
Q.叩き2走目なら必ず状態は良くなりますか?
必ず良くなるわけではありません。初戦から仕上がっていた馬や、前走の疲れが残っている馬もいます。過去の休み明け2戦目の成績や、今回の調教を見てみてください。
Q.最も好走しやすいレース間隔はありますか?
どの馬にも共通する一番いい間隔はありません。短い間隔が得意な馬もいれば、休みを挟んだほうが走る馬もいるので、その馬の過去の成績から考えます。
まとめ
ローテーションは、馬がどのレースに、どれくらいの間隔で出ていくかという出走の計画です。
「中何週」は、前走から何日たったかではなく、前走と今回のあいだにある走らなかった週を数えます。
ローテーションを見るときの重要ポイント
ローテーションだけで、馬の状態が全部分かるわけではありません。
前走の中身、調教、馬体重、パドック、過去の間隔ごとの成績を組み合わせると、今回も力を出せる状態かが考えやすくなります。
まずは出馬表で前走の日付を見て、今回が連闘・中何週・休み明けのどれに当たるのかを調べるところから始めてみてください。
迷ったら、「中何週か」「前走で力を使ったか」「過去に同じ間隔で走っているか」の3つを見るだけでも、ローテーションが予想に使いやすくなります。

















