前回の【血統コラム】では、「札幌芝1200mで好走している血統とは??」ということで血量まで深く切り込んで好走するインブリード(クロス血統)を見ていきました。
今回のコラムでは、「福島芝1200mで好走している血統とは??」ということで馬券を買う際に使える情報を書いていきたいと思います。
内容としては、「種牡馬」「母父馬」「インブリード(クロス血統)」についてです。「種牡馬」だけではなく血について掘り下げて書くので血統重視の場合はかなり参考になると思いますよ。
それでは、データと併せて「福島芝1200mで好走する血統」をご覧ください。
この記事の目次
データ提示条件
レース出走回数が10回以上あるもの
血統を比較検討するため「勝率の高い種牡馬」「勝率の低い種牡馬」を掲載
上記条件で、全ての馬を記載はしない(取り上げる数は不定とする)
データの集計期間は、2017年5月1日~2020年4月30日までとする
着別度数 | 勝率 | 連対率 | 複勝率 |
3-0-0-11/14 | 21.4% | 21.4% | 21.4% |
着別度数 | 勝率 | 連対率 | 複勝率 |
2-0-1-7/10 | 20.0% | 20.0% | 30.0% |
着別度数 | 勝率 | 連対率 | 複勝率 |
2-0-2-7/11 | 18.2% | 18.2% | 36.4% |
着別度数 | 勝率 | 連対率 | 複勝率 |
3-0-1-13/17 | 17.6% | 17.6% | 23.5% |
着別度数 | 勝率 | 連対率 | 複勝率 |
6-6-4-22/38 | 15.8% | 31.6% | 42.1% |
着別度数 | 勝率 | 連対率 | 複勝率 |
7-1-1-36/45 | 15.6% | 17.8% | 20.0% |
着別度数 | 勝率 | 連対率 | 複勝率 |
2-1-0-10/13 | 15.4% | 23.1% | 23.1% |
着別度数 | 勝率 | 連対率 | 複勝率 |
4-4-0-24/32 | 12.5% | 25.0% | 25.0% |
着別度数 | 勝率 | 連対率 | 複勝率 |
3-1-2-19/25 | 12.0% | 16.0% | 24.0% |
着別度数 | 勝率 | 連対率 | 複勝率 |
8-3-4-52/67 | 11.9% | 16.4% | 22.4% |
着別度数 | 勝率 | 連対率 | 複勝率 |
9-11-6-53/79 | 11.4% | 25.3% | 32.9% |
着別度数 | 勝率 | 連対率 | 複勝率 |
4-3-4-27/38 | 10.5% | 18.4% | 28.9% |
着別度数 | 勝率 | 連対率 | 複勝率 |
4-1-2-33/40 | 10.0% | 12.5% | 17.5% |
こんなところでしょうか。一部は「勝率」順に並べていますが、例外もあります。
ここで紹介していないオルフェーヴルは、「勝率 : 11.5%(3-0-1-22/26)」ですが、総合的にみて削除しているので全てが「勝率」順というわけではありません。総合的にみて福島芝1200mに関して適性が高い種牡馬を掲載しています。
福島芝1200mで適性が高く走りそうな種牡馬を挙げましたが、更に精度を上げることができる可能性があるため、更に読み進めてください。
データ提示条件
レース出走回数が10回以上あるもの
血統を比較検討するため「勝率の高い種牡馬」「勝率の低い種牡馬」を掲載
上記条件で、全ての馬を記載はしない(取り上げる数は不定とする)
データの集計期間は、2017年5月1日~2020年4月30日までとする
着別度数 | 勝率 | 連対率 | 複勝率 |
0-2-3-23/28 | 0.0% | 7.1% | 17.9% |
着別度数 | 勝率 | 連対率 | 複勝率 |
0-1-3-25/29 | 0.0% | 3.4% | 13.8% |
着別度数 | 勝率 | 連対率 | 複勝率 |
0-0-1-17/18 | 0.0% | 0.0% | 5.6% |
着別度数 | 勝率 | 連対率 | 複勝率 |
0-0-0-16/16 | 0.0% | 0.0% | 0.0% |
過去3年のデータで、10回以上出走機会がある種牡馬を数頭あげています。多くの種牡馬が勝ち鞍をあげれていないコースですが、一部だけの紹介となります。
血量を見ることでここには掲載できていない種牡馬と繁殖牝馬の配合が福島芝1200mでは合っているのかどうかということもある程度見えてくるはずですよ。
データ提示条件
レース出走回数が10回以上あるもの
血統を比較検討するため「勝率の高い母父馬」「勝率の低い母父馬」を掲載
上記条件で、全ての馬を記載はしない(取り上げる数は不定とする)
データの集計期間は、2017年5月1日~2020年4月30日までとする
着別度数 | 勝率 | 連対率 | 複勝率 |
4-2-2-9/17 | 23.5% | 35.3% | 47.1% |
着別度数 | 勝率 | 連対率 | 複勝率 |
3-0-1-11/15 | 20.0% | 20.0% | 26.7% |
着別度数 | 勝率 | 連対率 | 複勝率 |
6-3-1-33/43 | 14.0% | 20.9% | 23.3% |
着別度数 | 勝率 | 連対率 | 複勝率 |
4-2-1-22/29 | 13.8% | 20.7% | 24.1% |
着別度数 | 勝率 | 連対率 | 複勝率 |
2-2-1-9/14 | 14.3% | 28.6% | 35.7% |
これはあくまでも一部のデータです。
「勝率」だけで言えば、Sadler’s Wellsとキングカメハメハの間に割って入る母父馬もいます。母父馬でナスルーラーやネイティヴダンサー・ニアークティックに連なる系統は比較的上位に入っていることが多い印象です。
データ提示条件
レース出走回数が10回以上あるもの
血統を比較検討するため「勝率の高い母父馬」「勝率の低い母父馬」を掲載
上記条件で、全ての馬を記載はしない(取り上げる数は不定とする)
データの集計期間は、2017年5月1日~2020年4月30日までとする
着別度数 | 勝率 | 連対率 | 複勝率 |
0-1-0-13/14 | 0.0% | 7.1% | 7.1% |
着別度数 | 勝率 | 連対率 | 複勝率 |
0-0-3-13/16 | 0.0% | 0.0% | 18.8% |
着別度数 | 勝率 | 連対率 | 複勝率 |
0-0-0-22/22 | 0.0% | 0.0% | 0.0% |
着別度数 | 勝率 | 連対率 | 複勝率 |
0-0-1-17/18 | 0.0% | 0.0% | 5.6% |
あまり多くは取り上げていませんが、成績の悪さで目立った母父馬はこんな感じでしょうか。
母父馬でロイヤルチャージャーに連なるサイアーラインが弱い成績です。分かりやすいところで言えばサンデーサイレンスですね。オペラハウスは例外ですが、その他ここで記載した3頭に関してはロイヤルチャージャー系です。
それでは、次は福島芝1200mで好走している血量を見ていきますよ。
データ提示条件
レース出走回数が10回以上あるもの
全ての馬を記載はしない(取り上げる数は不定とする)
データの集計期間は、2017年5月1日~2020年4月30日までとする
父方の3代前にMr. Prospector・母方の4代前にMr. Prospectorの血を持っていると好走するケースがあるようです。血量で言えば奇跡の血量と言われている18.75%です。
40回の出走機会のうち6回勝利しています。(勝率 : 15.0%)
ただ、その逆ですね。父方の4代前にMr. Prospector・母方の3代前にMr. Prospectorを持つ4×3になると持っている血量は同じでも22回出走して一度も勝つことができていません。これは、しっかり覚えておいたほうが良いことです。
例えばですが、トワイニング産駒。これは、出走回数が10回未満だったため、好走する種牡馬に記載していない種牡馬です。
トワイニング産駒の成績
着別度数 | 勝率 | 連対率 | 複勝率 |
2-2-2-3/9 | 22.2% | 44.4% | 66.7% |
トワイニングは、父方の2代目にMr. Prospectorの血があるのでその産駒は3×4になる可能性があります。
福島芝1200mの条件で、9度の出走機会がありますが実は2頭で9度走っています。更にその内の1頭であるシャインサンデー8度走っているんですよね。このコースに対する適正が高いということが分かっているのでしょう。
シャインサンデー
着別度数 | 勝率 | 連対率 | 複勝率 |
2-2-2-2/8 | 25.0% | 50.0% | 75.0% |
これは全て福島競馬場芝1200mという条件の成績です。
この馬に関しては、Mr. Prospector3×4を持っており福島芝1200mという条件において好走している馬です。しかし、他の競馬場での成績も残していたためオッズ的にはそこまで美味しくありません。
いずれも馬券外となったものは、今現在も踏みとどまっている2勝クラスです。いくら適正が高いと言えどもクラスが上がり全体のレベルが上がるに連れ適正だけではどうしようもない壁があるのではないでしょうか。
デルマアツヒメ
着別度数 | 勝率 | 連対率 | 複勝率 |
0-0-0-1/1 | 0.0% | 0.0% | 0.0% |
この馬は、Mr. Prospector3×4がありません。また、その他のクロスも持っていない馬です。1度だけ福島芝1200mという条件で走っていますが14着に敗れています。
サンプルデータが少ないのでもう何頭か種牡馬を紹介して実例を見て頂きたいところですが割愛します。ちなみにロードアルティマの産駒もMr. Prospector3×4ができる可能性があります。ヒロイックアゲンやスイヨウビがこのクロスを持っています。スイヨウビに関しては新馬戦で福島芝1200mを走っているわけですが、13番人気で4着という結果でした。馬券にはなりませんでしたが、人気の割に大健闘していると思いませんか??
その他のMr. Prospectorのクロス
父方の5代前にNearctic・母方の5代前にNearcticの血を持っていると好走するケースがあるようです。血量で言えば6.250%です。
20回の出走機会のうち3回勝利しています。(勝率 : 15.0%)
福島芝1200mは、意外と抜けたものがありません。出走回数自体は少ないですが、Nearcticのクロスを持った馬も好走するケースがあります。Nearcticは、カナダの年度代表馬に選ばれた馬でもありNorthern Dancerを主として父系を伸ばしています。
好走する可能性のある種牡馬で紹介したヨハネスブルグ・ローレルゲレイロ・ローエングリン・クロフネなどはそのサイアーラインを色濃くたどります。
見ていくのは、Dansili産駒とバゴ産駒です。血統は万能ではなく、同じ血統のクロスを持っていても悪い場合もあります。ただ、好走するケースがあるということ念頭においてサンプルを見てください。
Dansili産駒の成績
着別度数 | 勝率 | 連対率 | 複勝率 |
2-0-0-0/2 | 50.0% | 50.0% | 75.0% |
出走回数が10回未満の種牡馬であったため、札幌芝1200mで好走する種牡馬には掲載していません。
これは1頭の馬、ラルムドランジュが二度走っただけです。いずれも勝ちきっています。以下は、ラルムドランジュの競走成績です。
2019年4月20日福島10R
安いですけど、前走・前前走が小倉でともに8着だったのでゴリゴリの1番人気だったというわけではありません。2着とクビ差なので余裕で勝ちきっているわけでもありません。
2019年6月30日福島9R
前走に引き続き同じ舞台での昇級初戦です。昇級かつ前走も2着馬と差がなかったためか8人気とかなり人気を下げていますが見事1着となっています。昇級であったり、前走2着との着差・走破タイムなどを考えず血統だけを信じていればもしかしたら取れた馬券かもしれまんせん。
バゴの成績
着別度数 | 勝率 | 連対率 | 複勝率 |
2-0-2-7/11 | 18.2% | 18.2% | 36.4% |
バゴ産駒は11回の出走機会があります。6頭の馬で11度走っていますが、Nearcticのクロスを持っているのはワンダフルラッシュの1頭だけです。(1-0-0-3/4)という成績です。福島芝1200mでのワンダフルラッシュの競走成績を掲載しますが、全てが好走しているわけではないということも見て確認してくださいね。
2017年7月16日福島8R
降級初戦です。前走が1000万下で17人気の17着でした。降級ということもあり5番人気に支持されました。払い戻しを受けることはできませんが、買って正解の馬券だと思います。
2017年11月4日福島10R
前回の福島芝1200mから間隔は空いていますが、この間に新潟芝1400mを走っていますが12着と惨敗しているためこのような人気となっているのでしょう。
2018年4月8日福島9R
前回の惨敗から更に5ヶ月ほど間隔が空き、休み明け初戦となったレースです。これも9人気で11着と惨敗しています。
2018年4月22日福島8R
連闘ではありませんが間隔を詰めての2戦目となります。結論ですが、惨敗したとしても適正がある可能性の高いクロスを持っている場合は買い続けたほうがいいかも知れません。他の競馬場で走る場合は回避したとしても今回なら福島芝1200mだけは少額でも買い続けておいたほうがいいですね。こういった見事な変わり身もあるので、血統はその場その場では走らないことがあっても買い続けることが大事ではないかなと思います。叩いてかつ適正があったことが功を奏したのでしょう。
その他のNearcticのクロス
福島芝1200mに関しては、これまでに紹介した血統から馬券を組み立てるのも一つです。思ってもみないような穴馬が拾えるかも知れませんよ。
「母父馬でロイヤルチャージャー系は危険」と題してますが、成績が落ちる可能性があるよというレベルです。もちろん母父馬にロイヤルチャージャー系がいたとしても成績を残しているものもあります。例えば、ディープインパクトやブライアンズタイム・ダンスインザダークなどが母父にいたとしても「勝率」は10%近い成績を残しています。
全体的にみて母父にロイヤルチャージャーがいたら成績が落ちる可能性が高いということだけ覚えておいたらいいかなと思います。
ロイヤルチャージャーといってもHail to Reason(ヘイルトゥリーズン系)・Sir Gaylord(サーゲイロード系)に分岐し、更にそこからも分岐します。
更に踏み込んで詳しくは見ませんが、母父馬からある程度、凡走する可能性が高いものを絞れると思うのでロイヤルチャージャー系という大枠で構いませんので少しでも注意しておけば凡走する可能性のある馬の馬券を買わずに済むのかなと思います。
前回紹介した「札幌芝1200mで好走している血統とは??」よりも血統のみの側面から見ると難しいコース・距離だと思います。
成績上位に属する血統は、かなり拮抗したものが多く血統だけで絞るのは難しいので福島競馬場に関するデータもたくさん買いているのでそちらのデータも活用して判断して頂けたらと思います。
ただ、今回紹介したようなインブリードは走る可能性が高いので注目もしていただければ少しでも馬券購入に役立つのではないかとも同時に思っております。
競馬に絶対はありませんが、少しでも的中率・回収率が上がるように常日頃から色々な情報は得るようにしてください。