前回の【血統コラム】では、アメリカ(北米)の歴代リーディングサイアー見てみようということで過去10年分のフランスのリーディングサイアーについてみていきました。
今回のコラムでは、「札幌芝1200mで好走している血統とは??」ということで馬券を買う際に使える情報を書いていきたいと思います。
内容としては、「種牡馬」「母父馬」「インブリード(クロス血統)」についてです。「種牡馬」だけではなく血について掘り下げて書くので血統重視の場合はかなり参考になると思いますよ。
それでは、データと併せて「札幌芝1200mで好走する血統」をご覧ください。
この記事の目次
データ提示条件
レース出走回数が10回以上あるもの
血統を比較検討するため「勝率の高い種牡馬」「勝率の低い種牡馬」を掲載
上記条件で、全ての馬を記載はしない(取り上げる数は不定とする)
データの集計期間は、2017年5月1日~2020年4月30日までとする
着別度数 | 勝率 | 連対率 | 複勝率 |
3-0-2-5/10 | 30.0% | 30.0% | 50.0% |
着別度数 | 勝率 | 連対率 | 複勝率 |
2-0-2-6/10 | 20.0% | 20.0% | 40.0% |
着別度数 | 勝率 | 連対率 | 複勝率 |
3-2-1-13/19 | 15.8% | 26.3% | 31.6% |
着別度数 | 勝率 | 連対率 | 複勝率 |
2-0-1-12/15 | 13.3% | 13.3% | 20.0% |
着別度数 | 勝率 | 連対率 | 複勝率 |
3-4-1-15/23 | 13.0% | 30.4% | 34.8% |
着別度数 | 勝率 | 連対率 | 複勝率 |
2-0-1-13/16 | 12.5% | 12.5% | 18.8% |
着別度数 | 勝率 | 連対率 | 複勝率 |
2-1-3-11/17 | 11.8% | 17.6% | 35.3% |
着別度数 | 勝率 | 連対率 | 複勝率 |
1-3-0-6/10 | 10.0% | 40.0% | 40.0% |
着別度数 | 勝率 | 連対率 | 複勝率 |
3-5-3-23/34 | 8.8% | 23.5% | 32.4% |
こんなところでしょうか。一部は「勝率」順に並べていますが、例外もあります。
ここで紹介していないオルフェーヴルは、「勝率 : 10%(1-0-0-9/10)」ですが、総合的にみて削除しているので全てが「勝率」順というわけではありません。総合的にみて札幌芝1200mに関して適性が高い種牡馬を掲載しています。
札幌芝1200mで適性が高く走りそうな種牡馬を挙げましたが、更に精度を上げることができる可能性があるため、更に読み進めてください。
データ提示条件
レース出走回数が10回以上あるもの
血統を比較検討するため「勝率の高い種牡馬」「勝率の低い種牡馬」を掲載
上記条件で、全ての馬を記載はしない(取り上げる数は不定とする)
データの集計期間は、2017年5月1日~2020年4月30日までとする
着別度数 | 勝率 | 連対率 | 複勝率 |
0-0-2-18/20 | 0.0% | 0.0% | 10.0% |
着別度数 | 勝率 | 連対率 | 複勝率 |
0-0-1-11/12 | 0.0% | 0.0% | 8.3% |
着別度数 | 勝率 | 連対率 | 複勝率 |
0-0-0-13/13 | 0.0% | 0.0% | 0.0% |
過去3年のデータで、10回以上出走機会がある産駒で勝ち鞍をあげることができていない産駒は上記の3種牡馬となります。
血量に進むと、どういった配合が好走し、逆に凡走するような配合が見えてくるはずです。
血量を見ることでここには掲載できていない種牡馬と繁殖牝馬の配合が札幌芝1200mでは合っているのかどうかということもある程度見えてくるはずですよ。
データ提示条件
レース出走回数が10回以上あるもの
血統を比較検討するため「勝率の高い母父馬」「勝率の低い母父馬」を掲載
上記条件で、全ての馬を記載はしない(取り上げる数は不定とする)
データの集計期間は、2017年5月1日~2020年4月30日までとする
着別度数 | 勝率 | 連対率 | 複勝率 |
2-1-1-8/12 | 16.7% | 25.0% | 33.3% |
着別度数 | 勝率 | 連対率 | 複勝率 |
3-2-3-13/21 | 14.3% | 23.8% | 38.1% |
着別度数 | 勝率 | 連対率 | 複勝率 |
2-1-5-15/19 | 10.5% | 15.8% | 21.1% |
これは、おもしろいですね。
種牡馬としてのディープインパクトは、札幌芝では走らないのに対して母父馬がディープインパクトの場合は好走しています。
データ提示条件
レース出走回数が10回以上あるもの
血統を比較検討するため「勝率の高い母父馬」「勝率の低い母父馬」を掲載
上記条件で、全ての馬を記載はしない(取り上げる数は不定とする)
データの集計期間は、2017年5月1日~2020年4月30日までとする
着別度数 | 勝率 | 連対率 | 複勝率 |
1-0-0-21/22 | 4.5% | 4.5% | 4.5% |
着別度数 | 勝率 | 連対率 | 複勝率 |
0-0-2-8/10 | 0.0% | 0.0% | 20.0% |
着別度数 | 勝率 | 連対率 | 複勝率 |
0-0-0-10/10 | 0.0% | 0.0% | 0.0% |
着別度数 | 勝率 | 連対率 | 複勝率 |
0-0-0-10/10 | 0.0% | 0.0% | 0.0% |
あまり多くは取り上げていませんが、目立った種牡馬はこんな感じでしょうか。
それでは、次は札幌芝1200mで好走している血量を見ていきますよ。
データ提示条件
レース出走回数が10回以上あるもの
全ての馬を記載はしない(取り上げる数は不定とする)
データの集計期間は、2017年5月1日~2020年4月30日までとする
父方の4代前にMr. Prospector・母方の4代前にMr. Prospectorの血を持っていると好走するケースがあるようです。血量で言えば12.5%です。
31回の出走機会のうち5回勝利しています。(勝率 : 16.1%)
例えばですが、札幌芝1200mで好走する種牡馬で挙げたロードカナロア産駒はこの血量になる可能性があります。GIこそ取れていませんが、短距離で活躍しているダノンスマッシュはMr. Prospector4×4を持っています。
もうちょっと見てみましょうか。
トーセンラー。これは、出走回数が10回未満だったため、記載していない種牡馬です。
トーセンラー産駒の成績
着別度数 | 勝率 | 連対率 | 複勝率 |
1-1-3-3/8 | 12.5% | 25.0% | 62.5% |
トーセンラーは、母方の3代目にMr. Prospectorの血があるのでその産駒は4×4になる可能性があります。
札幌芝1200mの条件で、8度の出走機会がありますが実は2頭で8度走っています。適性があることが分かりきっているんでしょうね。ちなみにこれから紹介する2頭はどちらもMr. Prospector4×4を持っています。
ファンシャン
着別度数 | 勝率 | 連対率 | 複勝率 |
1-1-2-2/6 | 16.7% | 33.3% | 66.7% |
これは全て札幌競馬場芝1200mという条件の成績です。
仮にMr. Prospector4×4が好走する可能性があるということを知っていれば、ファンシャンの新馬戦9人気の馬券を買うことができたでしょう。単勝オッズは54.4倍。複勝オッズは10.9倍でした。結果は3着で単勝馬券を買っていた場合はハズレですが、複勝で1090円もつきました。複勝だけでも大きい数字ですが、仮に単勝が来ていたらやばくないですか??
ちなみに2走目は、同舞台で3人気の2着でした。単勝オッズ5.3倍。複勝オッズ1.6倍です。
前走を見て次走人気が出てしまいました。もし、血統のことを知っていたならば人気がない時に買える可能性があった馬券ですね。オッズが雲泥の差です。
ソルバシオン
着別度数 | 勝率 | 連対率 | 複勝率 |
0-0-1-1/2 | 0.0% | 0.0% | 50.0% |
地方競馬にいった馬ですが、中央競馬最後のレースで3着と検討した馬です。
最終レースまでそこそこの着順を確保していたので16頭立の5人気とそこそこ人気を集めていたのでオッズ的にはそこまで美味しくない馬券かも知れませんが、複勝馬券は240円の払い戻しでした。
その他のMr. Prospectorのクロス
父方の5代前にNorthern Dancer・母方の4代前にNorthern Dancerの血を持っていると好走するケースがあるようです。血量で言えば9.375%です。
39回の出走機会のうち6回勝利しています。(勝率 : 15.4%)
実は、Mr. Prospector4×4で紹介したダノンスマッシュですがNorthern Dancer5×4も持っているんですよね。Mr. Prospector4×4とNorthern Dancer5×4を同時に持つということがプラスになるのかマイナスになるのかですが、マイナスになることはありません。
ダノンスマッシュは、札幌芝1200mでこれまで2回出走しており1着1回・2着1回という数字です。2着に敗れたのは、2018年8月26日に行われたキーンランドカップ(GIII)です。この時は4人気だったため、単勝オッズは6.4倍・複勝オッズは2.3倍でした。
正直、札幌競馬場では最強の血統だと思います。
キーンランドカップ(GIII)で1着だったナックビーナスに注目していきますが、Northern Dancer4×5+5(血量12.5%)を持っている馬です。Northern Dancerのクロスで好成績をおさめている血量に関しては後述しますが、Northern Dancer4×5+5は、20回の出走があり3勝しています。勝率にすれば、15%とダノンスマッシュの持つNorthern Dancer5×4と比べても遜色のない血統です。
当時の馬の能力や騎手がとった位置など他の要因で勝てなかったということでしょう。
Northern Dancer5×4についてももうちょっと見ていきましょうか。
見ていくのは、スズカマンボ産駒です。この種牡馬に関しても、4代目にNorthern Dancerを持っており、繁殖牝馬次第になりますがスズカマンボ産駒は5×4になる可能性がある種牡馬です。
スズカマンボ産駒の成績
着別度数 | 勝率 | 連対率 | 複勝率 |
2-0-1-1/4 | 50.0% | 50.0% | 75.0% |
出走回数が10回未満の種牡馬であったため、札幌芝1200mで好走する種牡馬には掲載していません。
3頭の馬が札幌芝1200mという条件で合わせて4度の出走をしています。これから紹介する3頭のうち1頭だけNorthern Dancer5×4の配合となっています。
スリーケープマンボの成績
着別度数 | 勝率 | 連対率 | 複勝率 |
2-0-0-0/2 | 100.0% | 100.0% | 100.0% |
まずはこの馬からになりますが、札幌芝1200mで2戦2勝です。Northern Dancer5×4の配合を持っている馬です。
もし、Northern Dancer5×4の配合がこの条件下において好走するということを知っていれば・・・最高でしたね。
2019年8月11日札幌8R
10番人気だった割にそこまでオッズは下げていませんが、それでも良いオッズです。単勝は、ビビって買えなかったとしても複勝5.3倍です。これだけ美味しい馬券はそうそうありませんね。
続いて、この条件下においての2戦目を見ていただきます。
2019年8月31日札幌10R
昇級初戦であり、いきなりの通用は厳しいという理由から人気も更に下がったレースでしょう。もし、血統を重視してビビらずに買えていたら大金持ちですね。単勝・複勝のみで言ってますが、この馬を軸にして馬連・馬単・3連複・3連単がもし取れていたら更に良い配当が得られていたことでしょう。
それでは、続いてスズカマンボ産駒の残り2頭も見ていきましょう。
ミスルーアの成績
着別度数 | 勝率 | 連対率 | 複勝率 |
0-0-1-0/1 | 0.0% | 0.0% | 100.0% |
ミスルーアは、札幌芝1200mで3着1回の馬です。この馬は、Northern Dancerのクロスがありません。
ただし、最初に紹介したMr. Prospector4×4の血を持っているんですよね。1着ではありませんが、それは走りますよね。
2017年8月5日札幌5R
後続の4着以下に7馬身と離しての3着なので危なげなく入線しています。騎手の仕掛けが遅く、もしもう少し早く仕掛けれていれば更に上の順位も十分にあったレースだと思います。詳しく知りたい人は、JRAやネット競馬などから過去のレースより見てください。
それでは、最後の1頭も見ていきます。
レインボーボニートの成績
着別度数 | 勝率 | 連対率 | 複勝率 |
0-0-0-1/1 | 0.0% | 0.0% | 0.0% |
レインボーボニートは、札幌芝1200mで7着1回の馬です。この馬は、Northern Dancerのクロスがありません。
クロス自体はありますが、これまで取り上げていないHalo(3×4)・Hail to Reason(4×5)・Cosmah(4×5)・Nijinsky(4×5)のクロスです。
全ては書きませんが、Halo(3×4)は札幌芝1200mという条件において勝率7.4%です。Mr. Prospector4×4とNorthern Dancer5×4に比べると半分以下の勝率です。Hail to Reason(4×5)になると勝率5.0%です。
ここで少し頭を柔らかくしましょう。Hail to ReasonとCosmahの子供がHaloです。Halo(3×4)は、これまで27回出走しており、その先は必ずHail to Reason(4×5)になります。
Hail to Reason(4×5)は、これまで40回出走しています。例えばですが、Hail to ReasonとBramaleaの子供となるとRobertoです。Hail to Reasonがいたとしても母が違えばHaloのクロスはなくなりますよね??そのため、Hail to Reason(4×5)の出走回数がHalo(3×4)よりも多いというわけです。
いずれにしてもHalo to Reasonの系統では、札幌芝1200mでは好成績をおさめているわけではないので特にこれ以上踏み込む必要はありません。
2018年8月4日札幌3R
この1頭しか例外となっている血統の馬を見せていないので確信は持てないという人もいると思いますが、クロス血統は大事な要素だということもなんとなく感じ取っている人もいるのではないでしょうか。
その他のNorthern Dancerのクロス
Northern Dancer5×4のクロスは血統的に札幌芝1200mが合っているということを書いてきましたが、実は凡走する種牡馬で紹介したディープインパクトは4代目にNorthern Dancerがいます。そのため、産駒はNorthern Dancerのクロスがある場合が多く、更に最もこの条件において「勝率」の高いNorthern Dancer5×4の配合もいます。
結論としては、ディープインパクト産駒のNorthern Dancerのクロスがあった場合でも消しということです。探ってみましたが、血統的な側面から理由付けすることはできませんでした。
これまでディープインパクト産駒は、この条件で20回の出走機会があり18頭が走っています。全てのディープインパクト産駒の成績とNorthern Dancerのクロスがあるのかないのかを書いていきます。ただし、なぜ走らないのかという結論は現段階では出せそうにないのでご容赦ください。
着別度数 | 勝率 | 連対率 | 複勝率 |
0-0-1-1/2 | 0.0% | 0.0% | 50.0% |
Northern Dancer5×5
着別度数 | 勝率 | 連対率 | 複勝率 |
0-0-1-1/2 | 0.0% | 0.0% | 50.0% |
Northern Dancer5×4+5
着別度数 | 勝率 | 連対率 | 複勝率 |
0-0-0-1/1 | 0.0% | 0.0% | 0.0% |
Northern Dancer5×5+5
着別度数 | 勝率 | 連対率 | 複勝率 |
0-0-0-1/1 | 0.0% | 0.0% | 0.0% |
Northern Dancerなし
着別度数 | 勝率 | 連対率 | 複勝率 |
0-0-0-1/1 | 0.0% | 0.0% | 0.0% |
Northern Dancer5×5
着別度数 | 勝率 | 連対率 | 複勝率 |
0-0-0-1/1 | 0.0% | 0.0% | 0.0% |
Northern Dancerなし
着別度数 | 勝率 | 連対率 | 複勝率 |
0-0-0-1/1 | 0.0% | 0.0% | 0.0% |
Northern Dancerなし
着別度数 | 勝率 | 連対率 | 複勝率 |
0-0-0-1/1 | 0.0% | 0.0% | 0.0% |
Northern Dancerなし
着別度数 | 勝率 | 連対率 | 複勝率 |
0-0-0-1/1 | 0.0% | 0.0% | 0.0% |
Northern Dancer5×4
着別度数 | 勝率 | 連対率 | 複勝率 |
0-0-0-1/1 | 0.0% | 0.0% | 0.0% |
Northern Dancer5×5+5
着別度数 | 勝率 | 連対率 | 複勝率 |
0-0-0-1/1 | 0.0% | 0.0% | 0.0% |
Northern Dancer5×5
着別度数 | 勝率 | 連対率 | 複勝率 |
0-0-0-1/1 | 0.0% | 0.0% | 0.0% |
Northern Dancer5×5
着別度数 | 勝率 | 連対率 | 複勝率 |
0-0-0-1/1 | 0.0% | 0.0% | 0.0% |
Northern Dancerなし
着別度数 | 勝率 | 連対率 | 複勝率 |
0-0-0-1/1 | 0.0% | 0.0% | 0.0% |
Northern Dancer5×5
着別度数 | 勝率 | 連対率 | 複勝率 |
0-0-0-1/1 | 0.0% | 0.0% | 0.0% |
Northern Dancer5×5
着別度数 | 勝率 | 連対率 | 複勝率 |
0-0-0-1/1 | 0.0% | 0.0% | 0.0% |
Northern Dancer5×4
着別度数 | 勝率 | 連対率 | 複勝率 |
0-0-0-1/1 | 0.0% | 0.0% | 0.0% |
Northern Dancer5×5
着別度数 | 勝率 | 連対率 | 複勝率 |
0-0-0-1/1 | 0.0% | 0.0% | 0.0% |
Northern Dancerなし
札幌芝1200mで凡走する種牡馬でディープインパクト・エイシンフラッシュ・ダノンシャンティをあげました。こういった種牡馬は、今回の血統コラムで紹介したMr. Prospector4×4・Northern Dancer5×5の血量を持っていたとしても凡走するケースが多いので馬券からは消したほうが良いですね。
最後にディープインパクト産駒の成績しか紹介しませんでしたが、エイシンフラッシュに関してもMr. Prospectorのほうのクロスが産駒に生まれている場合があります。ただ、エイシンフラッシュ産駒というだけで切ったほうが良さそうです。
その他、札幌芝1200mで好走しているような種牡馬のMr. Prospector・Northern Dancerのクロスがある場合は前走が凡走している場合や成績が悪い馬でも意外と穴で飛び込んでくるかも知れません。
競馬に絶対はありませんが、血統の面からそういった可能性もあるということを理解しておきましょう。