前回の【血統コラム】では、「東京ダート1600mで好走している血統とは??」ということで血量まで深く切り込んで好走するインブリード(クロス血統)を見ていきました。
今回のコラムでは、「阪神芝1800mで好走している血統とは??」ということで馬券を買う際に使える情報を書いていきたいと思います。
内容としては、「種牡馬」「母父馬」「インブリード(クロス血統)」についてです。「種牡馬」だけではなく血について掘り下げて書くので血統重視の場合はかなり参考になると思いますよ。
それでは、データと併せて「阪神芝1800mで好走する血統」をご覧ください。
この記事の目次
データ提示条件
レース出走回数が10回以上あるもの
血統を比較検討するため「勝率の高い種牡馬」「勝率の低い種牡馬」を掲載
上記条件で、全ての馬を記載はしない(取り上げる数は不定とする)
データの集計期間は、2018年6月28日~2021年6月27日までとする
着別度数 | 勝率 | 連対率 | 複勝率 |
3-2-2-10/17 | 17.6% | 29.4% | 41.2% |
着別度数 | 勝率 | 連対率 | 複勝率 |
37-26-24-130/217 | 17.1% | 29.0% | 40.1% |
着別度数 | 勝率 | 連対率 | 複勝率 |
2-1-1-9/13 | 15.4% | 23.1% | 30.8% |
着別度数 | 勝率 | 連対率 | 複勝率 |
2-4-1-7/14 | 14.3% | 42.9% | 50.0% |
着別度数 | 勝率 | 連対率 | 複勝率 |
2-0-1-11/14 | 14.3% | 14.3% | 21.4% |
着別度数 | 勝率 | 連対率 | 複勝率 |
3-1-4-14/22 | 13.6% | 18.2% | 36.4% |
着別度数 | 勝率 | 連対率 | 複勝率 |
7-5-6-44/62 | 11.3% | 19.4% | 29.0% |
着別度数 | 勝率 | 連対率 | 複勝率 |
6-6-4-41/57 | 10.5% | 21.1% | 28.1% |
着別度数 | 勝率 | 連対率 | 複勝率 |
2-0-3-15/20 | 10.0% | 10.0% | 25.0% |
着別度数 | 勝率 | 連対率 | 複勝率 |
4-8-3-26/41 | 9.8% | 29.3% | 36.6% |
着別度数 | 勝率 | 連対率 | 複勝率 |
6-7-1-48/62 | 9.7% | 21.0% | 22.6% |
着別度数 | 勝率 | 連対率 | 複勝率 |
9-7-10-80/106 | 8.5% | 15.1% | 24.5% |
こんなところでしょうか。一部は「勝率」順に並べていますが、例外もあります。
レース試行回数は少ないですが、モーリス産駒が阪神芝1800mに関してはかなり高い勝率を残しています。ただし、3勝を挙げたものは全て未勝利戦となっており1勝クラスでは思うような成績が残せていない点も覚えておいたら良いでしょう。
データ提示条件
レース出走回数が10回以上あるもの
血統を比較検討するため「勝率の高い種牡馬」「勝率の低い種牡馬」を掲載
上記条件で、全ての馬を記載はしない(取り上げる数は不定とする)
データの集計期間は、2018年6月28日~2021年6月27日までとする
着別度数 | 勝率 | 連対率 | 複勝率 |
1-2-0-34/37 | 2.7% | 8.1% | 8.1% |
着別度数 | 勝率 | 連対率 | 複勝率 |
0-2-1-20/23 | 0.0% | 8.7% | 13.0% |
着別度数 | 勝率 | 連対率 | 複勝率 |
0-2-0-12/14 | 0.0% | 14.3% | 14.3% |
着別度数 | 勝率 | 連対率 | 複勝率 |
0-1-5-10/16 | 0.0% | 6.3% | 37.5% |
着別度数 | 勝率 | 連対率 | 複勝率 |
0-1-3-11/15 | 0.0% | 6.7% | 26.7% |
着別度数 | 勝率 | 連対率 | 複勝率 |
0-1-3-6/10 | 0.0% | 10.0% | 40.0% |
着別度数 | 勝率 | 連対率 | 複勝率 |
0-1-1-10/12 | 0.0% | 8.3% | 16.7% |
過去3年のデータで、10回以上出走機会がある種牡馬を数頭あげています。一部だけの紹介です。
阪神芝1800mは凡走する可能性のある種牡馬であげた馬は、比較的ロイヤルチャージャー系の成績が悪いように見えます。しかし、ディープインパクト産駒やマンハッタンカフェ産駒のように同じロイヤルチャージャー系でもこのコースで好成績を残している種牡馬もいるので一概には言えません。
またゴールドシップ産駒やワークフォース産駒が凡走する種牡馬として掲載していますが、「勝率」が良くないだけで「複勝率」はかなり高いです。買い方だけ注意するようにすれば、馬券回収率も上がりそうですね。
ここには掲載できていない種牡馬と繁殖牝馬の配合が阪神芝1800mでは合っているのかどうかということもある程度見えてくるはずですよ。
データ提示条件
レース出走回数が10回以上あるもの
血統を比較検討するため「勝率の高い母父馬」「勝率の低い母父馬」を掲載
上記条件で、全ての馬を記載はしない(取り上げる数は不定とする)
データの集計期間は、2018年6月28日~2021年6月27日までとする
着別度数 | 勝率 | 連対率 | 複勝率 |
4-2-1-4/11 | 36.4% | 54.5% | 63.6% |
着別度数 | 勝率 | 連対率 | 複勝率 |
4-2-1-8/15 | 26.7% | 40.0% | 46.7% |
着別度数 | 勝率 | 連対率 | 複勝率 |
3-0-1-8/12 | 25.0% | 25.0% | 33.3% |
着別度数 | 勝率 | 連対率 | 複勝率 |
3-2-1-10/16 | 18.8% | 31.3% | 37.5% |
着別度数 | 勝率 | 連対率 | 複勝率 |
2-2-1-6/11 | 18.2% | 36.4% | 45.5% |
着別度数 | 勝率 | 連対率 | 複勝率 |
7-2-4-26/39 | 17.9% | 23.1% | 33.3% |
これはあくまでも一部のデータです。
母父馬がNative Dancer (ネイティヴダンサー系)の血を持っていたら比較的良い成績を持っているのではないでしょうか。
母父馬で「勝率」が上位3頭は、いずれもネイティヴダンサー系の血統でアメリカで生産された馬です。米国型の血を母父馬が持っていたら好走する可能性が高いので注目してみてください。ただし、この後凡走する母父馬でも紹介しますが、米国型の血統を持っていたとしても凡走する種牡馬もいるので全ての米国型の馬が好走するというわけではありません。
データ提示条件
レース出走回数が10回以上あるもの
血統を比較検討するため「勝率の高い母父馬」「勝率の低い母父馬」を掲載
上記条件で、全ての馬を記載はしない(取り上げる数は不定とする)
データの集計期間は、2018年6月28日~2021年6月27日までとする
着別度数 | 勝率 | 連対率 | 複勝率 |
0-2-1-8/11 | 0.0% | 18.2% | 27.3% |
着別度数 | 勝率 | 連対率 | 複勝率 |
0-1-3-6/10 | 0.0% | 10.0% | 40.0% |
着別度数 | 勝率 | 連対率 | 複勝率 |
0-1-1-13/15 | 0.0% | 6.7% | 13.3% |
着別度数 | 勝率 | 連対率 | 複勝率 |
0-1-0-10/11 | 0.0% | 9.1% | 9.1% |
着別度数 | 勝率 | 連対率 | 複勝率 |
0-0-1-11/12 | 0.0% | 0.0% | 8.3% |
着別度数 | 勝率 | 連対率 | 複勝率 |
0-0-1-10/11 | 0.0% | 0.0% | 9.1% |
あまり多くは取り上げていませんが、成績の悪さで目立った母父馬はこんな感じでしょうか。
アグネスデジタル・ウォーエンブレム・Kingmamboは、米国型のネイティヴダンサー系の血統です。このように米国型の血を母父馬が持っていても凡走する種牡馬はいるので、更にクロス血統まで切り込み阪神芝1800mを好走する馬・凡走する馬を高い精度で見分けれるようにしていきましょう。
それでは、次は阪神芝1800mで好走している血量を見ていきますよ。
データ提示条件
レース出走回数が10回以上あるもの
全ての馬を記載はしない(取り上げる数は不定とする)
データの集計期間は、2018年6月28日~2021年6月27日までとする
母方の5代前にだけHail to reasonの血を持っていると好走するケースがあるようです。血量で言えば6.250%です。
45回の出走機会のうち13回勝利しています。(勝率 : 28.9%)
逆に5+5(父方)になれば「勝率 : 6.1%」とガクッと下がってしまいます。
種牡馬4代前にHail to reasonがいるだけで上記のクロスはありません。
例として、阪神芝1800mにおいて高い勝率を残しているモーリスを例に見ていきたいと思います。ちなみにモーリスは5代前にHail to reasonがいますが、生まれた産駒は6代前となるので上記のクロスが完成する可能性があります。
モーリス産駒の成績
着別度数 | 勝率 | 連対率 | 複勝率 |
3-2-2-10/17 | 17.6% | 29.4% | 41.2% |
モーリス産駒で期間内で3勝を挙げています。それぞれの馬の血統を見ていきましょう。
ジェラルディーナ
着別度数 | 勝率 | 連対率 | 複勝率 |
1-0-0-1/2 | 50.0% | 50.0% | 50.0% |
Hail to reason5+5(母方)は持っていません。サンデーサイレンス・Halo・Wishing Well・Danzig・Northern Dancer・Lyphardのクロスを持っています。
未勝利戦で1着(2人気)をとっていますが、1勝クラスで8着(4人気)となった馬です。
アンフィニドール
着別度数 | 勝率 | 連対率 | 複勝率 |
1-0-0-0/1 | 100.0% | 100.0% | 100.0% |
この馬もHail to reason5+5(母方)を持っていません。その他のクロスは有しています。
ちなみに、サンデーサイレンス4×3の奇跡の血量を有している馬ですが阪神芝1800mでこのクロスは「勝率 : 3.3%」と凡走する傾向にあります。
アメイジングタイム
着別度数 | 勝率 | 連対率 | 複勝率 |
1-0-0-1/2 | 50.0% | 50.0% | 50.0% |
Hail to reason5+5(母方)は持っています。
新馬戦と未勝利戦の2回を同コースで走っており、新馬戦5着(2人気)・未勝利戦1着(2人気)でした。
その中でHail to reason5+5(母方)を持っているのは、上記で紹介したアメイジングタイムとメイプルリズムという馬だけです。ちなみにメイプルリズムは未勝利戦で2着(5人気)という結果でした。
その他のHail to reasonのクロス
父方の5代前にNorthern Dancer・母方の4代前にと5代前にNorthern Dancerの血を持っていると好走するケースがあるようです。血量で言えば12.50%です。
54回の出走機会のうち12回勝利しています。(勝率 : 22.2%)
続いて例をあげて見ていきましょう。
ハーツクライ産駒で見ていきたいと思います。もちろん他の種牡馬でNorthern Dancer5×4+5ができる可能性もあります。
ハーツクライ産駒の成績
着別度数 | 勝率 | 連対率 | 複勝率 |
9-7-10-80/106 | 8.5% | 15.1% | 24.5% |
ハーツクライ産駒は阪神芝1800mに77頭の馬で計106回出走しています。
Northern Dancer5×4+5を持っている馬ばかりが勝っているというわけではないので、1頭だけ紹介します。
クリデュクール
着別度数 | 勝率 | 連対率 | 複勝率 |
1-0-0-2/3 | 33.3% | 33.3% | 33.3% |
ハーツクライ産駒で特定のNorthern Dancer5×4+5を持つ馬で阪神芝1800mで勝利している馬はこの馬だけです。ちなみに2勝クラスで勝利をおさめています。着外となっている2回はクラスが上がって3勝クラスの時で共に4着に敗れています。
2020年12月19日阪神10R
2着馬にクビ差の勝利ですが、単勝に関しては美味しい配当でした。
今回のレースで2着馬に入ったラヴユーライヴ(2人気)も実はNorthern Dancer5×4+5を持っていました。血統だけ重視していたら大きな配当が取れたかも知れませんね。
その他のNorthern Dancerのクロス
主流な血統なので数も頭数も多くなりますが、このコースを走る馬のクロスは馬券購入前に確かめてみるといいかも知れませんね。
父方の3代前にHalo・母方の5代前にと5代前にHaloの血を持っていると好走するケースがあるようです。血量で言えば15.625%です。
32回の出走機会のうち7回勝利しています。(勝率 : 21.9%)
続いて例をあげて見ていきましょう。
マンハッタンカフェ産駒で見ていきたいと思います。2代目にHaloを持っているので、産駒でHalo3×5のクロスを持つ可能性があります。
マンハッタンカフェ産駒の成績
着別度数 | 勝率 | 連対率 | 複勝率 |
3-1-4-14/22 | 13.6% | 18.2% | 36.4% |
マンハッタンカフェ産駒は阪神芝1800mに16頭の馬で計22回出走しています。
阪神芝1800mを走った馬は全16頭で、その内3勝を挙げています。Halo3×5を持っている馬は1頭だけなのでその馬を見ていきます。
アシュリン
着別度数 | 勝率 | 連対率 | 複勝率 |
1-0-0-0/1 | 100.0% | 100.0% | 100.0% |
既に引退した馬でもうレースでは見ることのない馬ですが、集計期間内では1回走って2着馬に2馬身と差をつけて圧勝しています。ただし、単勝1.4倍のゴリゴリの人気馬でした。
ちなみに集計期間外にも1回走っており、2着(5人気)でした。単勝12.0倍・複勝2.8倍でした。
その他のHaloのクロス
種牡馬でHaloが2代目にいる馬は減ってきているので阪神芝1800mで今後見つけた場合は注目してみてくださいね。
Mr. Prospectorはそこまで成績が良くない!!
もっと深く切り込むこともできますが、情報量が膨大になるためここまでとします。このコースで注目したいのは、Northern Dancer・Halo・Hail to reasonのクロスです。紹介したピンポイントのクロス以外にも高勝率をおさめているクロスは注目してみる価値はあります。
逆に他コースで活躍しているMr. Prospectorのクロスはこのコースでは弱い結果となっていることがわかりました。人気になっている馬でもMr. Prospectorのクロスのみの馬がいれば割引したほうが回収率が上がるかも知れませんよ。
「阪神芝1800mで好走している血統とは??」ということでデータを交えて記事を書いてきました。
ちなみにここでも例として提示しませんでしたが、集計期間内で最も阪神芝1800mで勝った数が多いのは、ロードカナロア産駒のレッドガランです。3回の出走機会があり、3勝しています。レッドガランは、好走するクロスで挙げたHail to reason(母方)5+5を持っています。
長くなりすぎるので、全てを書くことはできておらず他にも走る血はあります。今回紹介しただけでも十分に馬券に生かせる内容だと思うので是非活用してみてください。
ただ、今回紹介したようなインブリードは走る可能性が高いので注目もしていただければ少しでも馬券購入に役立つのではないかとも同時に思っております。
競馬に絶対はありませんが、少しでも的中率・回収率が上がるようにこれからもお手伝いしていきます。バチっと血統予想で穴馬を当てて収支を伸ばしちゃいましょう。